日本版のGPS衛星「みちびき」3号機が19日午後に種子島宇宙センターから打ち上げられて予定の軌道への投入に成功しました。
2017年6月に2号機の打ち上げも成功させており、今秋に予定されている4号機の打ち上げに成功すれば衛星測位システムの本格的な運用が始まる見通しとのことです。日本の誤差の小さい衛星測位システムの構築を進めていて、その誤差はGPSの数メートルに対し、「数センチメートル」と紹介。さらに日本は2018年から本格的な運用を行う予定であることを伝え、日本の衛星測位システムの精度は世界的に見ても頭ひとつ抜けることになります。
衛星測位システムとは衛星からの電波によって位置情報を計算するシステムのことで、米国のGPSがよく知られており、みちびきを日本版GPSと呼ぶこともあります。
ビッグデータや人工知能(AI)、IoTなどを組み合わせ、ロケットや衛星の小型化など低コスト化も進めて宇宙利用の裾野を拡大。30年代早期にも日本の宇宙産業市場を2兆4000億円程度と現在の規模から倍増させることを目指す。
その世界的高水準の位置情報を計算するシステム、日本版のGPS衛星「みちびき」の顔ぶれです。
みちびき初号機
2010年9月に打ち上げ。7機予定されている準天頂衛星の初号機。現在も技術実証や利用実証に使用。
みちびき2号機
2017年6月1日に打ち上げ。2号機から、太陽電池パネルを減らし、姿勢安定度を向上。
みちびき3号機
他の機体と異なり、静止軌道衛星となります。メッセージ通信用のアンテナを搭載。
みちびき4号機
みちびき2号機と同じ仕様の機体。4号機が配備され、4機体制となることで、準天頂衛星システム「みちびき」は24時間、測位サービスの提供が可能。
より高精度で安定した衛星測位サービスを実現!
4機以上の衛星で衛星測位は可能ですが、安定した位置情報を得るためには、8機以上の衛星が見えることが必要とされています。しかし、GPS衛星は地球全体に配置しているため、地球の裏側で見えない衛星があり、どの地点でも概ね6機程度しか見ることができませんでした。
2018年、みちびきが4機体制になると、このうち3機はアジア・オセアニア地域の各地点では常時見ることができます。みちびきはGPSと一体で利用でき、GPS衛星6機とみちびき3機を合わせて8機以上となるため、安定した高精度測位を行うことが可能になります。GPS互換であるみちびきは安価に受信機を調達することができるため、地理空間情報を高度に活用した位置情報ビジネスの発展が期待できます。
なお、みちびき4機体制時においても、ビルや山の陰で見える衛星数が減ることから、都市部や山間部では測位が安定しないことがあります。このため、2023年度をめどとして7機体制とし、都市部や山間部を含めて正確な位置情報が得られることを目指していきます。(引用:内閣府 宇宙開発戦略推進事務局)